ウィメンズ

          NO.13



第4回交流会の報告はこちら



第13 回の寄稿は、竹田元美さん(学30EB)です。



幼児英会話のこころ


 皆様、こんにちは。この夏から縁あって、世話人のお仲間入りをさせていただくことになりました。
 とは言うものの、結婚を機に関東に移り住んで、もう25年近くなりますが、ずっと専業主婦をやってきた私が、これと言って何ができるわけでもなく、どこまでお役に立てるか分かりません。それでも、他の世話人の方々からの「できることからでいいのよ!」という暖かい言葉に導かれ(?)このたびこのペンリレーに一筆書かせて頂くことになりました。

幼児は”ごっこ遊び”が大好き

 主婦業を基本とはしておりますが、週に数回、首都圏で展開しているある幼児英会話教室で教えています。といっても、中身はテキストを開いて英語を教えるのではなく、外国人講師の補助役として2〜6歳児の幼児に Activity を中心とした指導をしています。この教室は、もともと、我が息子が9年間もお世話になった英会話スクールなのですが、そこのカリキュラムがとても気に入っていたことから、その後も関わることになったものです。息子の時と合わせると16年間、ずいぶん長いお付き合いになってしまったことに自分でも驚いています。

 当然ながら、母として息子にレッスンを受けさせていた時とは全く違う心の持ち方で、今は、日々、幼児たちに癒されながら教室を楽しんでいます。
 2人の息子の子育てを通じて、幼い子どもの心の成長過程とそれに伴う親の感情が、ある程度、把握できるようになりました。今度はその経験を活かして、このスクールでの子どもたちの育成に少しはお役に立てるのではないかと考えました。そのためには、子供たちの望むどんな面をも受け入れて、プラス方向へ仕向けていけるよう心の準備をして行かなければならないと思います。

 子どもに英会話を習わせるというと、「外国人講師に教えてもらえば正しい発音が身につく」とか「幼いうちから英語をやっておけば早く上達する」などとお母さん方は期待されます。だけど、その期待は「英語」の方だけにフォーカスが当たっていて、「会話」という本来の目的を見失っているように思われます。




 幼い子ども、特に2〜3歳児などは、言語以前に自分の意思を伝えることさえままならないのです。いきなり英語の会話文や単語を与えても効果はありません。 いくらジェスチャーをつけてみても、色鮮やかなカードを見せても、それで幼児たちの“本気”を引き出すのは容易ではありません。そこで、私たちは“ごっこ遊び”を通してコミュニケーションすることから始めるのです。それはお買い物ごっこだったり、ピクニックごっこだったり、食事を作るお料理ごっこだったり、生活に密着したいろいろなシーンですが、外国人講師がリードするので、もちろんすべて英語です。そしてそこには、その講師のお国柄や文化や様式が盛り込まれるので、異文化体験にもつながるのです。 しかも、本気になってするコミュニケーション、つまり心からの会話です。これは幼児にしかできない“ごっこ遊び”の世界なのです。


”ごっこ遊び”と英語劇

 教室に体験レッスンに来る子どものお母さんに答えて頂くアンケートの質問に、「英語劇は英会話の習得に役に立つと思いますか?」という項目がありますが、たいていの方が 「はい」ではなく「わからない」に○印をつけます。
 英語劇は与えられたスクリプトのせりふを覚えて演じるものであり、自らの意思で英語を話しているのではないから…ということなのでしょうか? でも、英語劇を英会話の習得の一手段として活用すると、劇→演じる→その気(本気)になる、というパターンにより、心からの会話につながります。実はこれこそが幼児の才能を最大に発揮できる”場”なのです。

 幼児の演じる英語劇ですから、動物がでてくる話や妖精が現れて魔法をかける話などが多いのですが、それを演じる子どもたちの目の真剣なこと!
 秋も深まり、朝夕冷え込んでくるようになると、私は、ふと、外大での語劇祭を思い出すことがあります。あの時私たちが取り組んだものは、ひとつの作品を仲間と力を合わせて作り上げ、それを観客に伝えることでした。それをやり終えた時の達成感は、何ものにもかえ難く、「このパフォーマンスこそ血と汗と涙の結晶だ」という、若さゆえの感動を覚えたものです。
 でも、英語劇というのは、スクリプトの解釈とそれを読み込むことに多くの時間を費やすので、英語の学習にはなっても、会話力の向上に直接つながるものではありませんでした。

 英語の知識というものが既に入ってしまっている学生が演じる英語劇と、心から本気になって“ごっこ遊び”ができる幼児の英語劇とでは目的が違っているのです。幼児たちの英語は“ごっこ遊び”の動作の後からついてくるもので、その状況の中で、必要に迫られて本気で発話しているものであり、コミュニケーションのための英語なのだと理解できます。


幼児から元気をもらって

 2歳から6歳というと、最も成長の度合いの大きい時期であり、毎回、驚かされることが沢山あります。子どもは覚えるのも速いけれど忘れるのも速いです。何度も繰り返すこと によって習慣づけられ定着していきます。カリキュラムでは毎回必ず色々な Activity をやるのですが、そのひとつに Physical Exercise という体を動かすものがあります。

 この歳になると、これをしている自分の姿を想像して(体力的にではなく絵的に)キツイなと感じるものがあります。それでも、小さな体を一生懸命に動かし、ぎこちないスキップをしている子、 走り出すとテンションが上がる子、ダンスが大好きな子、そんな子どもたちに引っ張られるように、童心に戻って動いている自分に苦笑するこのごろです。



 私は英語劇の中では、魔女になったり、妖精になったり、オオカミになったりして楽しんでいますが、そのシーンごとに素直に反応する子どもたちを見るにつけ、その純粋さや鋭さに心を動かされ、癒されています。またクラスの中では、外国人講師を助けて、子供たちの顔色を見ながら、お腹から声を出して雰囲気を盛りあげるようにしています。そのお陰でいつも元気でいられますが、これはまさに子どもたちからもらった元気です。あと何年続けられるか分かりませんが、もしこれが健康法の一つになり得るのなら…
 我が子たちの受験やスポーツなどの対応に追われながらも、なぜ、 こんなに長く続けられているのか、最近漸く分かってきたような気がします。

                               (2009年11月)






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