関東ウィメンズくらぶ便り

                                         NO. 18

 第18回の寄稿は長谷川祐子さん(54KB)です。



 ダイバーシティ富士登山


 2013年には、富士山がユネスコの世界文化遺産に登録され、2020年オリンピック開催地が東京に決定するなど、日本にとってうれしい出来事が立て続けに起こりました。その富士山に登ってきました。

 年齢、職業、性別、障害の有無、国籍などの違いを超えて、様々なバックグラウンドを持つ人が活躍できるダイバーシティ社会の実現を信念とする者が集まり、ひとつの共通の目標に向かって取り組む企画、その名も「ダイバーシティ富士登山」(ホームページは→ こちら)。2013年8月、そのメンバーとして富士登山に参加しました。

 この集まりの雰囲気が好きです。障害者向け就職支援事業としてビジネススクールを運営するビジネスパーソン、チョコレート屋(もちろんフェアトレードです)を切り盛りしながら政治家を目指す青年、ほんわか天然系の絵本作家など、魅力的なメンバーが揃っています。
 自分の人格とともに他人の人格も尊重できるモラルの高い人が多く、いい意味で個性的な人はいても悪い意味でクセのある人はいない。仲間内や同じ立場の者同士だけで固まらない。できない人はできる人がフォローする。失敗を笑って許し合う空気がある。そういう器の大きな団体なのです(唯一の欠点は年齢が50歳までと決まっているところでしょうか…)。

「障害の有無」と書きましたが、この企画には目が不自由な人(白い杖を持っています)や難聴の人、また、ハンディキャップを抱えた人も参加しています。視覚障害3人、聴覚障害4人、発達障害1人です。
 視覚障害の人にはガイドヘルプが付き、聴覚障害の人には手話通訳がつきます。集団行動が不得意な発達障害の人には、事前に特性の説明がなされたうえで、周囲の人が声をかけながら状況を把握できるようにサポートします。
 しかしこの企画は、「障害者をサポートしよう」ではなく「一緒に登る仲間には障害のある人もいる」というスタンスで、参加の目的が障害者支援だけにある、一般のボランティア活動とは一線を画しています。




 富士山では環境保全の一環として、2013年から入山料を任意で集めることになりましたが、私達も1人1,000円きっちり納めました。富士山の5合目登山口には、富士宮口(標高2,400m)、河口湖口(2,300m)と須走口(2,000m)の3箇所がありますが、私たちは須走口(静岡県駿東郡小山町)からスタート。最初しばらくは樹海の中を進むのですが、登っていくにつれて緑が少なくなり、やがて土と岩だらけの世界になります。富士山は「遠くから眺める山」と言われますが、確かに殺風景。でも、空には幻想的な雲海が広がり、とても美しい風景になります。




 8合目の見晴館で宿泊し(といっても仮眠しかできません)、深夜0時前にいよいよ頂上を目指して出発です。日ごろの階段の上り下り運動とフィットネスクラブでのトレーニングの成果あって、体力はなんとか持ちこたえ、心配していた高山病にもかからずに済みました。ただ、頂上に近づくにつれ、凍てつくような風が叩きつけてきて目も開けられない状態になります。ゴーグルが必需品でした。頂上付近からは傾斜が極端に急になり、手を使って岩をよじ登る状態になります。

 深夜4時前、ついに登頂! 3,776メートルの頂上はとても寒く、長居するものではありません。暗くて凍えそうな中、仲間たちと身体を寄せ合い温め合いながら、その時を待ちました。そして5時ごろ、雲のかなたから陽が昇りました。感激!




 実は今回、参加者48人のうち1人の脱落者も出さず、全員がこの頂上でご来光を見ることができたのです。これは奇跡といわれているほどです。入念な準備と、メンバー1人1人の結束のおかげでした。朝になり明るくなると、気温はグングン上がっていきます。昼夜の温度差が激しいのです。泥と砂だらけの下山道を降りて行きました。

 お疲れさまでした。2014年もまた登頂を目指します! 今後ともダイバーシティ社会の実現に向けて、輪を広げていきましょう!




                  (登山の参加者たち。黄色の矢印が筆者です。)









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